開発日記

開発日記Vol.1
「 ヘアカラーをキレイに長く楽しみたい 」

Theme -テーマ-

ヘアカラーの色をきれいに長く楽しみたい。
こんなテーマで、ヘアカラーを見直しました。

そもそも、酸化染毛剤で髪色が変わり、長持ちするのはなぜ?

服の繊維につくと取れにくい、墨液、絵の具、油性或いは水性のフェルトペン、ボールペン、万年筆、花弁やハーブの葉の汁、果汁、野菜の灰汁、紅茶やコーヒー、ケチャップ、油のシミなどを髪につけても、たいがいは水で洗うと落ちます。布の染色用天然色素でも、強く(実用レベルまで)染めることは難しい。植物性では、鉄漿(おはぐろ)やヘナなどの特定の場合に限って染まるものができますが、白髪を使って染着を見てもヘアカラーに比べると弱い。髪の毛って染まりにくいものですね。

一方で60歳以上の人は若いころビールやコーラ、消毒用のオキシドールなどで脱色したというのを聞いたことがあるかもしれません。乱暴な方法ですが、髪の色を変えるという点ではヘアカラーに匹敵する性能といえます。
いま、40代以下の人は朝シャンで髪が明るくなってしまうこと(いやではない人も多いと思います)、或いは生活習慣や食事の変化で最近の人は髪の色が明るい、というのを聞いたことがあると思います。

色を付ける(色素を髪の中に入れたり、表面に吸着させたりすること)のは難しいのですが、色を抜く(毛髪が持つ色素を脱色する)のは簡単。というふうに見えますが、肌の色素を脱色するホワイトニングが簡単ではないことからも実際は色を抜くのも結構難しいことがわかります。

髪をふやかすことによりヘアカラーを髪に浸透させています。

ヘアカラーで染色する際の染料の浸透は、水によって髪がふやけることを使っています。水のpH が酸性側よりアルカリ側の方がその効果は大きくなります。
豆をふやかして煮ると味が染みやすいように、ふやかした髪に水溶性の色素を水に溶かして接触させると深く浸透します。深く浸透したものが酸化重合して分子が大きく、水に溶けなくなったら、抜け出せなくなりその場にとどまります。シャンプーやコンディショナーを使った後、髪の状態が落ち着けばその色素は水では洗い流しにくくなっている。そのためシャンプーに強い染色になる。
一方酸化重合のための酸化剤は、毛髪の色を決めているメラニン色素を化学的に分解して脱色します。黒褐色の髪がメラニン色素の脱色で明るくなり、ブラウン、ライトブラウン、ブロンドという風に色が変わります。この色と色素の色の合算したものが、ヘアカラーの仕上がりです。
(浸透させるのは酸化染料中間体というものでそれ自体色素ではありません、重合してできたものが色素です。ここまでの説明ではこの両方を色素と表現しています)

髪を染める3つのステップ

  • Ⅰ ⇒(染料中間体を浸透させる)
  • Ⅱ ⇒(酸化重合で色素を合成)、(元の色の脱色)
  • Ⅲ ⇒髪の状態をもとに戻す

以上の3ステップで染まりにくい髪を染めているのが酸化染毛剤です。
簡単には髪に浸透したり、溶出したりすることが難しい大きさの色素を使っても染まりにくいのですが、この方法では色素を毛髪内に合成しているので、(小さいものを入れて中で大きくする)色落ちしにくい、髪の染色ができることになります。
これには過酸化水素を使った酸化という化学反応が必要で、現場で使うケミカル施術などの言葉のもとになっています。

酸性カラー(ヘアマニキュア)は1、2週間といえども、色が持つのはなぜか?

酸性カラーは化粧品分類で、酸化染毛剤とは薬事的に別のカテゴリーに入ります。
髪の表面に吸着して1~2週間は色もちするというのですが、髪は染まりにくいのに、どのような仕組みでそんなに色もちするのでしょう。髪が環境のpHで吸着するイオン性が変わることを利用して、酸性環境下で酸性染料というのをイオン結合させます。

このことで選択的に、強く吸着しますのでシャンプーに比較的強い染着をします。
でもこの吸着はほとんど髪の表面に限られるので、シャンプーによる影響を強く受けるので酸化染毛剤と比べると耐褪色性は小さくなります。それでも1、2週間持つというのは他の素材と比べて素晴らしいと思います。

褪色の原因は何か

染毛した髪も日を追って、色落ちや色の変化(褪色、変色)が起こります。その原因は日常の手入れや、避けられない事象などが組み合わさったものがもとになっていて特定が難しいものです。これらは、洗浄剤に溶け出したり、櫛などで擦ることで削り落とされたりという物理的な現象と、UVによる化学反応による分解や変質、水や空気中の酸素による酸化などといった化学的な現象に分けられます。

いったん出来上がった色素は、何もないのに変化することはありません。変化の要因から引き離せば、変化しないものと考えてよいでしょう。水や空気に触れさせず摩擦も一切せず、光にも当てずにそっと置いておけば、変化するとしてもごくわずかな変化にとどまります。

  • 洗浄の影響を小さくするには…(深く入れて、表面からできるだけ遠ざける)
  • 水や空気に触れさせないためには…(水:皮膜で囲ってしまえばよい、空気:できるだけ深く入れる)
  • 紫外線による影響を小さくするには…(紫外線吸収剤を表面に乗せる、光にあたらない)
  • ブラッシングや物理的な摩擦を小さくするには…(表面になければよい) 

結局のところ、深く入れて皮膜を作るということになる。
皮膜といっても元の髪では、キューティクルが担当していて、水分量を髪の健康を維持するのに適切に保っている。この仕事をうまく代行できる仕組みがあれば良さそうということになる。
強すぎても、弱すぎても色の耐久性だけでなく、元の髪の性質を維持するということを含めると、単純に皮膜を形成するだけでは対策としては不十分です。